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鹿教組執行委員長 下馬場 学
子どもたちの笑顔のためにも

 気候が不順な春先の中でも山桜が咲き始めるのを見たとき,植物・自然は確実に時の流れを感じとっていることを実感した今年の春でした。新学期を迎えあわただしい毎日のことと思います。
 新学期になって真新しい黄色の帽子をかぶった新1年生が元気に登校しています。ある日の午後、その新1年生が下校の長い上り坂の途中の3人で休憩する姿がありました。たしかに1年生にはきびしい長さだなと感じました。「がんばれ!」また、学校訪問をする機会もありました。2時間目の休み時間、子どもたちは元気にボールゲームなどを楽しんでいましたが、休み時間が終わり用務も終わったので帰ろうとすると、水飲み場で水道に口をつけておいしそうに水を飲んで、こちらを見てニッと笑う子どもの姿。「担任の先生方は休息時間終了後、各教室に向かわれたが…?」と思いながら学校を後にしました。学校が動き始めているなあと感じたところでした。
 昨年は「3・11東北大震災」によって、自然の力のすさまじさを実感するとともに、その自然の前では人間の力は微力であることもまた思い知らされました。また、地震によって引き起こされた東京電力福島原発の事故は「核を人間が管理できる」といったことは人間の思い上がりであることをわたしたちに知らしめました。私たちは自然と共に生活していかなければならないこと、核と人類は共存できないことを再確認し、これまでの価値観を大きく転換したはずでした。
 アフガンの「ペシャワールの会」の中村哲医師は住民と共に多くの井戸を掘る活動をされていますが、「水路を作る時、日本の江戸時代の工法を活用している」と過日の講演会で話されていました。江戸時代の工法には「自然を生かす」視点に基づいているとの話でした。重機とコンクリートで自然を押さえつける工事を当然かのように受け止めてきた現代の私にとっては新鮮な驚きでした。日本にはこんな誇らしい文明・文化があった。と同時に、教育においても同じことが言えるのではないか?教材に自然をとりいれてきたか・子どもの実際から始めているか…?美術の陶芸や彫塑の時間に、粘土を与え自由時間を与えると、嬉々として車や人形作りをする中学生を思い出します。小さい時どろんこ遊びや粘土遊びをしてきていないのではないだろうか…?
 今、学校現場は学力テスト・基礎基本調査に象徴される「狭隘な学力」が教育の目的であるかのように曲解され、そのことによって教職員は翻弄されています。また。多忙化や自己責任論の中、職場が協力・協働の場となり得ていないのも事実です。しかし、だからこそ鹿教組のスローガンである「集い 語り合い つながる」ことが求められていると言えます。そして「自分には仲間がいる」「これまでの教研活動などの教育実践は間違っていなかった」ということを確認することが大切です。
 職場やとり巻く社会情勢は厳しいですが、これまでの鹿教組・日教組のとりくみに自信と誇りをもって、これからも「平和・人権・環境・共生」の社会を目指して仲間と共にとりくんでいきましょう。ニッと笑う子どもたちがいつまでものびのびと生活できるためにも。 
 

 

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