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教育の危機宣言
教育基本法 政府「改正」法案に反対し、国民的な論議を求めます!
2006年4月28日
                       日本教職員組合
 政府は、教育基本法の「改正」法案を閣議決定しました。
 今回の「改正」法案については、政府・与党内で密室のうちに協議されてきました。この3年間で70回にのぼるとされる与党検討会は、資料も回収されるなど非公開で行われてきました。なぜ改正が必要なのか結論に至る過程が国民には明らかにされないままの法案提出です。
 教育基本法は、憲法と最も関係の深い法律です。その改正については、慎重に議論すべきであり、これまでの教育政策についても十分に検証する必要があると考えます。
日本PTA全国協議会の調査(05年3月)によると、教育基本法の内容をよく知らないという人が88.8%になっており、06年3月の同調査でも「中教審答申をふまえて議論を深めたうえで改正すべきか考える」と答えた人が53.1%で過半数を占めています。また、NHK調査(06年3月)では、教育基本法を改正すべきだとする人でも76%が「今の国会での成立にはこだわらず、時間をかけて議論すべきだ」と、早急に結論を出すのではなく、十分な議論が必要であると答えています。
 わたしたちは、拙速な法案提出をすることなく、憲法をはじめとする国内法や「子どもの権利条約」などの国際条約をふまえ、「教育基本法調査会」を衆参両院に設置し、そこにおいて慎重かつ徹底審議を行うことを求めています。
 しかし、政府・与党は、衆議院に特別委員会を設置してでも、今国会の会期内に急いで成立させようと動いています。改正するのならばなおさら、開かれた議論を喚起し、審議をすすめる場合には、多くの国民の意見を反映し時間をかけて論議をすることが必要です。
 「改正」法案では、教育の目標に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が明記されました。これが成立すれば、学校では教育内容に「愛国心」を入れているかどうか点検・調査が始まるでしょう。さらに、子どもたちへの評価につながることが心配されます。このことは、「国旗・国歌」法が成立した後の学校現場での「日の丸・君が代」の強制の現実をみても明らかです。
 「国を愛する」ことは、一人ひとりの心の問題です。それを法律に書き込むことで強制がうまれ、憲法で保障された思想・良心の自由を侵害することになります。「国を愛する態度」は無理やり教え込むのではなく、子どもたちが自然に身につけるものではないでしょうか。
国際化の流れとともに、学校ではさまざまな国や民族の子どもたちが学んでいます。「他国を尊重し、国際社会の平和と発展」を願うならば、一つの価値を押し付けるのではなく、多様性を認め合う教育こそが必要だと考えます。
 わたしたちは、「教育の危機宣言」を発し、政府の拙速な法案提出に抗議します。今国会において審議をするという場合は、慎重かつ時間をかけて国民的な議論を行うよう求めてみなさんへ訴えます。



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