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青年部への扉

日教組青年部2007
春闘・組織強化拡大全国交流集会(第34回全国青年交流集会)報告

1. 出水から横浜まで(プロローグ)

 1月26日(金)、朝5時30分に出水の家を出て、7時20分に鹿児島空港に到着した。今回も前回と同様、一人で羽田まで行かなければならない。前回と違うのは、飛行機の会社が、ANAではなくJALだということだけだった。定刻より少しだけ遅れて飛行機は離陸した。途中、墜落やハイジャックなどのトラブルもなく、羽田に到着したが、受付まで、4時間以上も時間があったので、東京散策に行くことにした。東京と言っても、秋葉原しか思いつかなかったので、秋葉原に行った。秋葉原の駅の裏にあるヨドバシカメラの携帯電話コーナーとパソコンコーナーで時間を過ごして、横浜に行くために駅に向かった。あと20メートルくらいで切符売り場というあたりで、男性に声をかけられた。怪しいお店の客引きの人かと警戒したが、道を聞かれただけだった。どうやら、私のことを秋葉原の常連と思ったのであろう。それだけ町に溶け込む人間に見られたということをうれしく思った。秋葉原から1日目の全体会の会場の横浜市技能文化会館に到着したのは13時の5分前であった。会館の入り口に立っていると日教組青年部長の賀来さんに声をかけられ、無事、会場の部屋に入ることができた。

2. 1日目

@ 全体会
 13:30に予定通り全体会が始まった。開会あいさつのあと、「緑の山河」斉唱のアナウンスがあったとき、『なぜ、組合の会のとき、緑の山河を歌うのか?』という青年部員のヤラセのような質問が会場から投げかけられた。それに対して、日教組青年部常任委員からは『みんなで同じ歌を歌って、心をひとつにして、頑張ろうという意味があるのではないか』という答えが返された。そして、緑の山河の振り付けも紹介された。来賓あいさつでは、参議院議員の神本みえ子さんが、14:30から本会議が始まるという多忙な中、『教育基本法が改悪され、学校現場では管理が強くなるが、子どもの一番近くにいるのは先生方です。頑張ってください。また、4月に統一地方選がある。地方分権の流れの中、この選挙がとても大切になる。それで得た勢いが7月の参議院議員選挙につながればいいと思う』という話をされた。全体会の最後に、日教組青年部長の賀来さんのあいさつと基調提起がなされた。発言内容は次の通りである。『東京に来てもうすぐ1年。中華街もあり、太って大分に帰るんだろうなぁと思っている。体重増を1.5キロ以内にしようと思っている。ここは唯一ウケを狙ったところなのに、ウケなかったなぁ。文科省の勤務実態調査によると超勤が40年前の5〜8倍になっている。青年部層の中には、どこまでが勤務かわからないという意見や、子どものためにと思ってやっていても子どもを追い詰める結果になっているのではないかと悩む人もいる。今回の交流集会で、何か「気づき」のきっかけをつかんで帰っていただければと思います。』

A 講演・ディスカッション(森越日教組執行委員長)
 全体会あと、森越委員長による講演が行われた。その内容は以下の通り。
『戦後の教育の荒廃の元凶は日教組にあるという大宣伝がなされた。ある国会議員が「大手企業や公務員にお金が回っているから中小企業やパートの人にお金が回らない」と発言し宣伝している。政府は公務員の定数削減を考えているが、日本は世界的に見て公務員の割合が低い。
 規制緩和が進んでいる。タクシー業界も規制緩和が進んでいる。その目的(建前)は、サービス向上が見込めるということだったが、実際は競争が激化し休みなしで働かなくてはならなくなり、寝不足での仕事が続き、事故が増えているというデータもある。安心してタクシーに乗れない時代になってしまったのでしょうか。
教育再生会議というのがありますが、私たちは教育妄想会議といっている。現場を知らない人たちが好き勝手なことを言っている。サッチャーが導入したイギリスの教育方法を日本に取り入れようとしているが、サッチャーの教育方法がもたらしたものは、ひどいものである。学校は競争ばかりで、子どもも教師も追い立てられ、今イギリスで教員志望者は少なくなっている。それに対して、フィンランドは教員志望者が多い。シンガポールでは、他に資源がないから教育に力を入れている。待遇や手当てを充実させ、教員志望者が多くなっている。日本は年休消化しないが、他国ではそのようなことになると管理職が処分される。日本は競争させたり、不安感をあおったりすることで、勉強の動機付けにしようとしている。保護者も競争して、子どもを追い詰めている。その結果、親殺しも起きている。
 デンマークの取材団が、教育基本法について取材に来た。「愛国心」は個人の問題で、何で法律で決めようとするのかがわからないから取材に来たと言っていた。
同じ目線で語り合うからつながれる。上の立場からものを言っても誰も本音を言わなくなる。だからつながることが大切である。
 日本では労組敵視の風潮があるが、世界的に見ておかしい。国内では我々が変に思われるかもしれないが、世界的に見たら我々がまともである。日教組が「グローバルスタンダード」である。EIなどで「どこかで聞いたことあるなぁ」と思っていたら、日教組が以前から言い続けている内容だった。日教組が孤立しているようですが、それは違う。おかしいことをおかしいと言われると困る人が、孤立させようとしているだけである。それだけ日教組が力を持っているということ。国際的には、我々にとって有利になりつつある。しかし、我々が頑張ることをやめてしまえば、すぐに潰される。勤務実態調査が実施され、発表されて、教育現場の教職員に対する注目が高まっている。自信を持って頑張っていきましょう。』
 このような講演のあとに、ディスカッションが行われた。その中で森越委員長に対して出された質問と答えは以下の通りである。

 Q1.「ゆとり教育」がダメだということを言っている番組の中で、森越委員長が「ゆとり教育」のよさを主張していましたが、現場では総合的な学習のために混乱している。どのような意図であのような発言をされたのですか?
 A1.ゆとり教育のねらいは、悪くなかった。しかし、それを気に入らなかった文部官僚によって本来のねらいからはずされた。予算をつけず、人材も足りなかったのでダメになった。
 Q2.朝まで生テレビで、森越さんが座り込みをやめさせるという発言をされたが、どういう意図でいったのか?
 A2.座り込み自体はよかったが、応援にきた議員に対してヤジを飛ばす人がいた。それをマスコミが撮影し、放送されたら、さらに日教組のイメージが悪くなる。教研でも来賓に対してヤジを飛ばす人がいる。組織内の人にヤジを飛ばすならいいが・・・・。
 Q3.日教組のイメージアップ作戦は?
 A3.いろんなところに出て行く。出て行くと「あれ?イメージと違うなぁ〜」と言われることがある。出て行けば出て行くほどイメージがよくなる。これ以上悪くなることはない。
  
  最後に、青年部に対して
  『青年部とは、今までの考えにとらわれず、自由な発想で活動できる。これからも頑張ってください』という言葉を残して、森越委員長は帰っていかれた。

B 問題提起
 最後に、日教組青年部常任委員会による寸劇を使った、問題提起があった。笑いを取り入れながら、実話を誇張して演じられた。完璧な演技とは言えないが、心に伝わる何かが感じられた。

C 九ブロ交流会
 1日目の日程が終了して、ホテルに行き、チェックインした。そして、同じホテルの大分高教組のメンバーとともに横浜中華街の九ブロ交流会の会場の店に向かった。初参加だから知らなかったが、毎回1日目の夜は九ブロで交流会をするということだった。他の鹿教組のメンバーが到着していなかったので、鹿教組からは1人だけの参加になってしまった。1人で寂しそうにしている様子を見て心配してくれた長崎の森野部長が交流会の司会進行をするようにと私に活躍の場を用意してくれた。ありがとう森野さん。九ブロ交流会は約30名の参加で、4つのテーブルに分かれて始まった。私と同じテーブルには、長崎の森野部長と、大分県教組の前の青年部長で、現在は日教組青年部副部長の酒井さんが座った。しかし、途中から、佐賀の江藤部長や福岡高の西原部長が加わり、盛り上がった。開始から30分くらいしてから自己紹介となった。私の独特の進行方法と、それに対する温かいツッコミで自己紹介は盛り上がった。みんなの自己紹介が終わった頃に日教組青年部長の賀来さんが登場した。賀来さんは、各ブロックの交流会を回って最後に九ブロ会場に駆けつけてくれたのである。賀来さんが到着したら、団結ガンバロウで締めてもらおうと佐賀の江藤部長と計画をしていたので、賀来さんに「団結ガンバロウをお願いします」と言うと、会場は大爆笑になった。しかし、私の冗談を予測していた賀来さん(実は前もってこの流れは賀来さんにお知らせしておきました)は、『東京に来て体重が増えた。大分に帰るときの体重を考えると怖かったが、高山君を見ると安心できる』という打ち合わせにはなかったことを言って逆襲してきた。会場はこの日一番の大爆笑になり、何も言い返せず、悔しかった。それからしばらくして日教組青年部副部長の酒井さんの団結ガンバロウで九ブロ交流会は終了した。みんな2次会に行ったが、私は、最終便でやって来る鹿教組の2人に資料を渡すためにホテルに戻った。ホテルで2人に会えて、資料をわたして、無事寝ることができた。

3.2日目

@分散会
 2日目は、13のグループに分かれての分散会であった。日教組青年部常任委員から、いくつかのテーマを示されたが、特に、それに縛られることなく、自由に話すという形だった。私が参加した分散会では、職場での会話が減っている状況があるので、会話を増やすにはどうしたらいいかを話しあった。昼食後、喫茶店に行き、コーヒーを飲みながら、「茶飲み話」を楽しみ、それを職場でもやっていこうということを確認して、分散会は終了した。

A全体交流会
 2日目の夕方は、全体交流会があった。最初に、なたにや正義参議院議員のあいさつがあった。そして乾杯で始まった。テーブルは分散会ごとになっていた。初対面の人が多かったが、交流会のときは、たくさん話ができた。ある程度時間がたってから、北のほうからブロック紹介が始まった。九ブロの紹介の順番は最後だったが、ここで問題が生じた。九ブロ紹介の進行係が決まらなかったのである。長崎の森野部長が困っていたので、私が引き受けてしまった。そして、九ブロの出番がきた。ステージに上がり、各単組紹介をした後に、方言クイズをした。正解者には、沖縄名産?の酒豪伝説(ウコンの力のようなもの)をプレゼントした。時間をオーバーしながらも落ち着いた司会ぶりに、常任委員からはダメ出しが出されたが、会場は盛り上がった。最後に、沖縄高の高良さんから8月の九ブロ沖縄大会の紹介があり、九ブロ紹介は終わった。交流会の最後にみんなで集合写真を撮って、解散になった。

B九ブロ交流会パートU
 全体交流会の後、九ブロ交流会が、カラオケボックスで行われた。31名が参加した。鹿教組からも2名参加した。最初はみんな歌わなかったが、途中から、どんどん歌い始めた。各県、その県に関係のある歌を歌っていたが、鹿児島に関係がある歌がなかったので、私は、何も関係ない歌を数曲歌った。かなり盛り上がった。終了後は、鹿教組2名と佐教組2名でホテルまで歩いた。

4.3日目

@連帯あいさつ
 自治労青年部長の筒井さんが連帯のあいさつをされた。自治労の会でも教育基本法の改悪について話題が出ているようで、自治労が身近に感じられた。

A分散会からのメッセージ
 2日目の分散会で話し合ったことを、ボードに書き、メッセージとして各分散会から紹介された。ほとんどの分散会から、『闘う』というテーマではなく、『語り合う』ことをテーマにしたメッセージが出された。

B討論
 3日間のまとめとして、自分の感じたことを数名が発表した。その内容はさまざまなものだったが、どれも、現場の抱える問題を訴えたり、自分の思いを知ってほしいというものだった。『いろいろな立場の人がいる職場で、自分のことしか考えていなかったことに気づいた』という発言が、印象に残った。
C閉会
 みんなで日教組組合歌を歌って、団結ガンバロウをして閉会した。閉会後、九ブロ部長会があって、そのあと単組ごとに写真を撮った。鹿教組は、鹿児島高教組の山本さんと写真を撮った。そして、解散になった。今回、6人の人から携帯電話の番号を教えてもらった。これからも交流していければと期待しつつ、鹿児島に無事帰ってくることに成功した。

参加者の分散会の感想(三笠中分会 内田さん)
 分散会では11名で議論を深めた。北は北海道から南は沖縄まで、東京や大阪のような都市から鹿児島のような地方まで色々な地域の現状を聞くことができたのは非常に有意義だった。
奈良の民間校長が入っている学校の話などはちょっとしたカルチャーショックだった。この分散会からのメッセージは「『横浜に行ってきました』と言おう(お土産付き)!」やはり話をしてつながっていくことが仲間を増やしていくことにつながることを再確認した。

日教組・賀来青年部長 パネルディスカッション
分散会 九ブロ交流会
鹿児島県・高教組の参加者
※この報告は、すぐにHPにアップする予定でしたが、技術的・日程的な事情などにより4ヶ月遅れとなりました。ご了承ください。


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