はじめに 鹿教組の情報 ほっと一息
TOPICS イベント情報 リンク
戻 る
事務職員部への扉
全国事務研究集会参加報告書
宇宿小学校分会 前田輝男

 今年で定年を迎える最後の年に、全国学校事務研究集会に参加させていただく機会を頂きました。参加するに当たって、過去の報告書に目を通して見るとその数20冊、おそらくこの他に参加したこと記憶のある大会等も数えると、かなりの数になりました。その半数が県の役員時か日教組の役員としての参加でしたが、本当に多くの機会を与えていただき感謝しております。最初のうちは聞くこと見ることすべてが難しく、理解することが出来ませんでしたが、回数を重ねるたびに新しい発見を常に持ち帰り、日々の実践の場に役に立たせていただきました。改めてこのような多くの機会を与えていただいたことに改めて感謝申し上げます
 最初の参加は北海道大会でした。そのとき宇都宮氏(最初の鹿児島県学校事務研究会会長)と初めてお会いしました。当時は鹿児島県事務職員部部長との立場でしたが全国的にも知名度が高く、組合運動をよく理解された方だとお見受けしましたが、その後いろいろな問題に発生するとはその当時は思いもよらなかったことです。その後20年ぶりにお会いし、組合を本当に愛しておられた方だと思いました。
 その当時の全国学校事務研究集会の議論は教員の人確法に対する見解や反対がほとんどであり、まさに日教組を分裂する騒ぎになっていました。私自身その後何年間も「植枝(当時日教組委員長)を総括しろ」と息巻いていたことを覚えています。残念ながら、これを契機に多くの事務職員の仲間が日教組を離脱していきました。
 その後やっと人確法の嵐が静かになって数年を経過したころ、こんどは「日教組400日抗争」が勃発します。日教組の主流派(社会党)と反主流(日共系)の対立です。ちょうど県の役員として全国学校事務研究集会「三重県大会」参加をどうするかの議論の真っ最中です。そうした中で、九州ブロック委員長書記長会での決定により、三重県大会は不参加との方針が決定しました。それにより九州ブロック事務職員部長会は不参加を決定します。しかし当時日教組事務職員部副部長であった宮崎の大木氏は、この決定に従わず三重県大会に参加し、大会開催挨拶で「荊の道を歩くとも…」の挨拶を行いました。この言葉がその後大きな影響を与え大木氏が退陣することになります。宮崎のシンボル的方でしたのでその後の宮崎県事務職員部に大きな影響が続くことになり、親教組との分裂という事態まで発展しました。
 結局は、日教組も組織分裂を行い、その後の全国事務研究大会参加者も激減していきました。そんな中で開かれたのが鹿児島県大会でした。私は、日教組事務研担当としての司会者として参加でしたが、そのとき鹿児島県の多く仲間が、全国大会成功の為に全力を尽くされていたのが今でも思い出されます。速報係、駐車場連絡係、巡回バス連絡係、本当に隅から隅まで気配りされた大会は、これまでも数多く大会参加してきましたがこれ以上の大会は無かったと思います、本当にご苦労様でした。私はこのとき賃金の分科会の司会役を担当していましたが、この頃から事務職員の賃金の論議が非常に停滞していったと思います。組合運動の基本は賃金闘争です、賃金の議論が盛り上がらないことは組合運動の停滞を招くと思うのは私だけでしょうか。もう一度賃金闘争を見つめなおす議論が沸きあがることを期待してやみません。
 今回参加させていただきました山口大会は、今、最も関心事である「学校事務の共同実施」の分科会に参加しました。共同実施が提案されてから10年の年月がたちましたが、依然として共同実施で何をやるべきなのか、先進県からはなかなかその具体案が見えてきません。一方、給与改善の方から見てみると、今回の広島からの報告が非常に印象的でした。広島県は事務長制度を導入して10年を経過したのですが、組織的にもしっかりとした県だけに当初十分に当局と議論をし、確認を行ったうえでの導入であったようですが、実際蓋を開けてみると1年目は現場の学校事務職員からセンター長に任命者はゼロ。全員が県からの任命者が占め、導入後10年たってやっと現場の事務職員からの任命者が20パーセントになったとの報告を受けました。そんな中で、県からの出向者は実務経験に乏しくそれぞれの業務の担当者を無理に決めさせ、業務を担当者に任せにして自分は決済のみを行おうとする事例が多く報告されているとのことでした。同じような状況にある先進県宮崎の実態と重ねながら見てみると、全国の平均的状況では今現場にいる事務職員が将来すべて事務長(6級)になれる可能性は非常に難しいといわざるを得ないと思います。「学校事務」という職業は残ったが「学校事務職員」は残らないという結果となりかねません。共同実施はわれわれ事務職員の賃金改善には簡単には結びつかないと考えたほうがいいのかもしれません。
 近年、全国学校事務研究大会において日程の決定方法や運営についても、全事研の後追い的要素がたぶんに見られます。全国の多くの仲間が全事県研究大会に参加していることを前提とした議論がほとんどであり、まったく参加も還流も無い鹿児島県にとって、議論に一緒に参加することが非常に困難な状況にあるとしか思えません。鹿児島も一日も早く全国と足並みをそろえて、全事研に参加し議論を深めるべきだと感想を持ちました。



トップページへ戻る