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平和への扉
第20回
「5・15沖縄平和行進報告」
「沖縄を返せ」
鹿児島県教職員組合 栗野中学校分会 外山 仁子

 じりじりと照るつける日差しの下、行進団は嘉手納基地の周囲を歩いた。どこまでも続くフェンス、時折頭上をかすめる米軍機のすさまじい爆音、フェンスの向こう側には広大な芝生があり、基地以外にも米軍人の住居が広々とした中庭を配して並んでいた。一方で沖縄の人々は限られた土地での生活を余儀なくされている。沖縄本島の実に20%が米軍基地であり、とりわけ人口が集まる中部地域に存在している。沖縄住民にとっても一番暮らしやすいであろう土地を米軍は使っているのだ。
 夜、北谷町での交流会に行くのにタクシーに乗った。「安保っていうのは不公平なんですよ。」とタクシーの運転手さんがつぶやいた。「車、ぶつけられても基地の中に逃げ込まれて、それでおしまいということもある。」そういえば基地の集中する中部地域の町中には、米軍人が所有することを表すYナンバーの車があふれていた。嘉手納基地のゲートの前を通ったときには、「このゲート、最近新しくなったんですよ。」と教えられた。「それが、『思いやり予算』だそうですけど。」とも。
 今回、西コースを歩き、そこに住む人々の生活に触れることで見えてきたのは、『基地の島・沖縄』の現実の姿だった。そこでは沖縄の人々が守り育ててきた大地だけでなく、そこに生きる人々の生活や思いまでもが占領され、虐げられ続けている。
「5月15日って何かの日だっけ?」宿泊していたホテルのロビーですれ違った男性が、連れの女性に話しかけた言葉が耳に入った。ホテルのロビーに掲げられた「歓迎 5・15平和行進」の看板を見ての言葉だろう。多くの観光者にとって、沖縄が直面している現実は『人ごと』なのだと改めて感じた場面だった。
 行進の最終日の県民集会での「沖縄を返せ」の大合唱。会場の熱気と一体感を感じた。私たちが沖縄の人々と一体となって、沖縄の問題を、人ごとではない自分のこととしてとらえることが、沖縄の本当の復帰には必要なのだ。







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