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平和への扉
第15回
「2008年度・日教組平和集会の報告」

 9月27、28日、大阪市で「2008年度・日教組平和集会」が開催されました。鹿教組からは、熊毛支部書記長の大石さん、重富中分会の重久さんと本部の小牧情宣部長が参加しました。
 最初の全体集会の日教組あいさつでは、やはり前出の中山元大臣のことをからめ、こういう状況の中で行われる平和集会の意義を確認しました。
 その後、4つの分科会に分かれましたが、「基地、日米安保条約、有事法制」をテーマとした第1分科会では、鹿教組からは大石さんが、種子島の馬毛島に米軍の飛行訓練場が誘致されようとしている状況等についてのレポートを報告しました。
 翌日のフィールドワークで最初に訪れた「ピース大阪(大阪国際平和センター)」には、先の大戦で50回を超える空襲を受けた大阪の惨禍やヒロシマ・ナガサキなどに関するものだけではなく、戦中他国の人々に与えた多大な危害についての資料なども展示されていました。
続いて訪れた「リバティ大阪(大阪人権博物館)」では、「在日コリアン」「アイヌ民族」「性的少数者」「HIV感染者・AIDS患者」「ハンセン病回復者」「ホームレス」「被差別部落」といった日本社会に存在する様々な差別や人権に関する展示があり、あらためて自らの差別・人権感覚について考えさせられました。
両施設とも、橋下知事の「改革」で補助金等を大幅カットされる中で工夫して維持をはかっているとのことでしたが、このようなすばらしい施設をなくしてはならないと思います。大阪近辺に行かれる際には、ぜひ訪れてみてください。






平和集会へ参加して(大阪)

姶良・伊佐支部 重久 裕行

 大阪の地を訪ねることはまったくはじめて。ほどよい緊張感を持ちながら現地へ赴けた。大阪と言えば「お笑い劇場」「大阪城」「新しい府知事」「たこ焼きの本場」といった印象。きっとあちらこちらから聞こえる会話でさえ漫才風なのだろう。大阪弁は、鋭い語り口調なので怖じ気づいたりしないだろうかと、少しビクビクしながら人と目が合わないように地図ばかり見ながら、会場へ向かっていったが、邪念なんでしょうねやっぱり道に迷ってしまった。
恥ずかしながら勇気を出して道を尋ねてみれば、驚くほど優しく丁寧に教えてくださった。日頃、マスメディアから与えられるイメージの強さとはなかなかの影響力だ。何事も直に触れてみることが大切なのだとつくづく感じる。
 開会行事のあいさつのなかでは、横須賀基地へ配備されるという原子力潜水艦ジョージワシントンの入港を許さない全国集会の話があった。原子力潜水艦がはじめて日本へやって来たときも3年程度という話ではなかったか。すでにそのときから35年も経過している。入港反対の1万人集会、入港当日の集会には目標人数よりも多くの同士の方々が集まられたそうだ。今後も座り込み行動や市民運動など活動を続けていくと神奈川高等学校教職員組合からの報告であった。
 分科会では、『核と人権の問題』へ参加した。「STOP!大間原発〜道南からの取り組み〜」(北海道教職員組合渡島支部)では、マグロの町大間の海を守る熊谷あさ子さんを中心とする市民運動の報告。「柏崎刈羽・巻原発の反対運動の諸経過」(新潟県教職員組合)では、新潟県中越沖地震による被害や原発事故等の報告や現在の調査活動についてまとめていただいた。
発電所建設では多額の金銭による用地買収を持ちかけ、住民同士の袂を分ちさせ、対立軸へと仕立て上げる卑劣なやり口を垣間見ることができた。子や孫になんであのとき反対せんかったのね?と言われないためにも、またお金にも換え難い大自然と生活の営みを奪われないために勇気をもって行動し闘っている姿に心震える思いだった。
「市民が撮った世界の核被害写真展の取り組み」(広島県被爆二世団体連絡協議会)では、現在も被爆の後遺症や遺伝的な病気はないのか、被爆者二世の方に対しては簡単な検査はあるものの精密検査は行なわれておらず、今後の経過を詳細に分析し見届けようとしない国の姿勢に危惧されているようだった。原爆は63年経過した今日であっても多くの人を苦しめ続けている。
 翌日は、「ピース大阪」と「リバティ大阪」のフィールドワークだった。戦争時の朝鮮の方への迫害の事実や15年戦争を中心としたテーマから胸に突き刺さるような写真の数々、何とも言いようがないほど悲しい気持に襲われた。「リバティ大阪」では、大阪が真摯に差別に取り組んできた歴史や今日も刻々と変化しながらあらたに生まれる差別や偏見についても展示があり、とても分かりやすく考えさせられる展示や構成だった。訪れる前に観たテレビからは、ややお荷物的な施設と印象を受けざるを得ない報道内容だったが、とんでもない話である。どちらの施設も設立当時の理念や真実をつたえようという思いが強く感じられる施設だった。また訪れたいと強く思った。この大阪での平和集会への参加はレポートから学んだことも非常に多く、フィールドワークから学んだことも多かった。また、現地へ赴き生で物事を感じ判断することの重要さを痛感させられた。今後は、学習したことを還流し、どんなかたちになるかは分からないが、いずれ大阪でのフィールドワークを実現させたい。




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