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「教育基本法改悪反対、教育危機突破6・3県民集会」を開催しました

歌声リハーサルのようす
 6月3日(土)の午後1時30分より、「教育基本法改悪反対、教育危機突破6・3県民集会」を開催しました。参加人数は700人を超え、当初予定していなかった2階席を急遽開放せざるをえなくなるなど、この問題に関する意識の高さがうかがえました。
 開会前の南薩支部による清々しい歌声(南薩のみなさんは1時間前から熱心にリハーサルをされていました)に始まり、主催者あいさつを経て行われた西原博史さん(早稲田大学教授)による記念講演は、教育基本法の現状をわかりやすく解説し、その改悪を企図する勢力を痛烈に批判する内容でした。講演の終わりに西原さんは、「一人ひとりが教育基本法について身近な人に語ることの重要性・必要性」を参加者に呼びかけられました。
 続いて、教育関係者として宗教者、保護者、元教職員がそれぞれの立場から「教育基本法」に対する思いを語り、最後に「集会アピール(下記参照)」を採択して集会を終了しました。
 その後、各支部からの参加者が、いづろ交差点・天文館・鹿児島中央駅の3ヵ所に分散して街頭でチラシを配り、この問題の重要性・危険性を道行く人たちに訴えました。
講演する西原さん 2階席も開放
寄せ書きを前にしてのでアピール 天文館でのチラシ配り
次代を担う若者に積極的にアピール 熱心にチラシを読む青年


教育基本法改悪法案に反対する集会アピール
 政府は、教育基本法「改正」案を今国会に上程し、衆議院に特別委員会を設置し審議を行っています。マスコミ報道によると、小泉首相は今国会の会期延長はしないことを表明していることから継続審議になる公算が強くなってきていますが、依然として予断を許さない状況です。
 施行59年を迎えた教育基本法は、戦後の「平和と平等をめざす教育」を破壊する攻撃に対し防波堤となってきました。多くの国民を悲惨な戦争へ駆り出すことになっていったその過ちを、また繰り返す道を歩むことにつながる分岐点に、今、私たちはいます。
 教育基本法は、憲法と最も関係深い法律です。「平和憲法の理想の実現は、根本において教育の力にまつべきもの」とされた教育基本法の「改正」については、これまでの教育政策や教育行政のあり方などについて十分に検証する必要があり、それをふまえた上での、徹底した国民的議論が必要です。
 政府が提出した教育基本法「改正」案は、03年3月の中教審答申以降、密室協議を続け、多くの時間を「愛国心」の表現の擦り合わせに費やしてきました。しかしながら、最終的には、教育の目的に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が明記されました。
 「国を愛する」ことは、一人ひとりの心の問題です。それを法律に書き込むことで強制がうまれ、憲法で保障された思想・良心の自由を侵害することになります。通知表には「国を愛する態度」の評価が盛り込まれることになります。どうやって、「愛国心」がある子ども・ない子どもと評価できるのでしようか。子どもの「思想・信条・良心」の自由を教職員に踏みにじらせようというのでしようか。子どもたちが、自分の国に誇りを持てるような社会を実現することこそ重要です。
 「改正」を進める人々は、様々な教育の問題、心の荒廃や青少年の問題行動など、教育基本法のせいだと主張します。しかし、教育基本法を変えれば教育が良くなるでしようか。決して良くなるはずはありません。
 多くの国民が、学校教育を改革していくことの必要性を感じています。そうであればあるほど、一人ひとりの子どもをかけがえのない存在であるとする教育基本法の理念に基づいた教育を、政府や教育行政が行ってきたのか、学校現場できちんと根付くような教育が保障されてきたのか、そのことの検証こそ必要ではないでしょうか。
 政府案に対峙する形で出された民主党の「日本国教育基本法案」も、政府案を廃案に追い込む目的とはいえ、前文に「日本を愛する心を涵養し」という文言で愛国心を盛り込むなど多くの問題を含んでいます。
「教育の憲法」とされる教育基本法を、国民的議論もないまま、数の力で改悪を強行することを、私たちは、絶対に容認できません。
 教育基本法改悪に反対するすべてのみなさん、今こそ、声を上げましょう! そして平和憲法と教育基本法を守り、教育基本法の理念の実現に向け、「教育基本法を読み生かす運動」に全力でとりくみましよう。

2006年 6月3日 教育基本法改悪反対、教育危機突破6・3県民集会
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