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「やなぎ誠子」県議が、県議会で「教員免許更新制度」について質疑応答

 6月12日の県議会第2回定例会で、県政連の「やなぎ誠子」県議が、県教委に対し来年4月から本格実施とされている「教員免許更新制」についての質問を行いました。以下はその概要です。(○やなぎ県議 △原田県教育長)


○ 本年度の予備講習への申し込み者の総数と、受講決定者の数をお示しください。また、インターネットによる申し込みに手間どり、申し込みができなかったという現場の先生の声がありますが、先着順による申し込み方法などについて、鹿児島大学との協議などきちんとなされているのかお伺いいたします。
△ 鹿児島大学が実施する予備講習の定員は、約2,400人で、現在、役1,500人の申込登録がなされている。
 この講習は、講座別に定員と申込期限が設定されており、一部の講習については、受付初日に定員に達したと聞いているが、多くの講座が、まだ受付期間中であるので、全体の受講決定者数は現時点では未定である。
 なお、今回の予備講習は、来年度以降の更新講習を円滑かつ効果的に実施するため、文部科学省が申込受付から修了認定までに一連の作業を大学に行なわせることにより、更新講習の実施に伴う諸課題について研究・検証を行なうものであり、予備講習の実施に当たっては、事前に大学側からの説明を受け、離島での講習開設等を要請するとともに、国・公・私立学校に周知したところである。
 更新講習は、大学が責任を持って行なうことになっているが、予備講習の結果、明らかになった課題については、県教委としても、鹿児島大学と協議しながら検討してまいりたい。

○ 来年4月からの更新講習を受けることになる方々は、平成23年3月31日において、満35歳・45歳・55歳になる先生方となっていますが、それぞれの、対象者が県全体で何名ほどになるのかお示しください。また講習は、土曜・日曜、夏休みなどに開設されるということですが、学校運営上、つまり、授業や部活動への影響、同一校に対象者が複数いる場合の影響等の課題はないのかお伺いいたします。
△ 来年度、更新講習の受講対象となる教員は、35歳が約600人、45歳が約500人、55歳が約100人の合計約1,200人程度である。
 更新講習の開設時期や講習形態については、職務に従事しながら受講できるよう、基本的には、長期休業期間中や週末の開設が主とされ、その他、夜間の開設、インターネットや通信教育を活用した講習など、多様な形態の受講が可能となっており、学校での教育活動には影響が出ないよう配慮されていると考える。

○ 更新講習の免除対象者が設けられていることについてお尋ねします。「知識技能等などが十分であり更新講習を受ける必要がないと免許管理者が認めた方については、講習が免除される」となっており、優秀教員表彰者、教員を指導する立場にある者「校長・教頭・指導教諭・教育長・指導主事・その他文部科学省令で定める者」となっています。これは、同じ職種に就く者で「免除される者」と「義務的に受けさせられる者」とはどのようにして分けられるのでしょうか。県教委は、どのような基準のもとに、「知識技能が不十分」あるいは「十分である」いとう判定をされるのでしょうか。管理職の中には、直接子どもの指導にタッチしないことで、子どもの意識や行動を理解できない方や、子どもや保護者あるいは職員からの信頼に値しない管理職だと言われる方も少なからずおられます。実施するのであれば公平に全員に更新講習を受けさせるべきではないでしょうか。
△ 教育職員免許法で、知識技能その他の事項を勘案して更新講習を受ける必要がないと認められるものが定められており、その中に、校長、教頭も含まれている。ただ、校長、教頭の講習受講の要否判断は、免許管理者である県教育委員会に委ねられていることから、人事評価制度等により、個別具体に判断してまいりたい。
○ 講習費用についてお尋ねします。今回の鹿児島大学の予備講習においては無料となっておりますが、これは、本格実施になった場合有料となるのでしょうか。
 本県は、南北600キロメートルで、多くの離島を抱えており、航空機や船での交通を強いられるところもありますし、港や空港までも時間がかかるというところも多くあります。奄美本島で出張講座を開設するにしても宿泊が伴い、負担の増加は避けられません。このような地理的条件により、受講の費用負担にかなりの不公平感が出てまいります。国が更新講習講座を義務化した経緯から、受講に伴う費用負担軽減と、講習受講の費用負担も含めて国および県による支援策を検討する必要があると思いますがいかがでしょうか。
△ 教員免許は個人の資格であることから、更新講習の受講に係る費用は本人負担とされている。
費用負担の軽減等については、国会でも附帯決議がなされており、また、現在、文部科学省においても、県教委が主催する十年経験者研修をはじめとする現職研修の受講を更新講習の受講時数としてとり扱うことについて検討がなされていることから、県教委としては、今後、国の動向等を注視してまいりたい。

○ 現在実施されている現職研修などと重なったときの過重負担についてお尋ねします。
 中教審の論議の中で、免許更新制度を導入しないかわりに制度化されたのが10年経験者研修です。現在でも、該当者および子どもたち、同僚教職員に多大な負担を与えているという現場の先生方の指摘もあります。特に、夏期休業中に大学等での講座なども集中するそうです。このようなことを考えますと、現場からの指摘や全国都道府県教育長協議会も指摘しているように、免許更新講習の導入に伴い、10年経験者研修については、免許更新講習との内容の重複や講習にかかる教員の負担の増加などが懸念されることから、10年研修も含めた現職研修との整理・統合などの抜本的見直しは不可欠だと思いますがいかがでしょうか。
△ 国によれば、10年経験者研修をはじめとする現職研修の一部についても、更新講習として認定を受けることが可能であるとのことであり、その要件等については、今後さらに検討されるものと承知している。
 県教委としては、その検討の動向を見定めながら、教員及び学校の負担の軽減が図られるよう、工夫してまいりたい。
 免許更新制は、教員が最新の知識・技能を身につけ、自信と誇りを持って教壇に立てるようにすることで児童生徒に良質な教育を提供しようとする制度であり、その目的が達せられるよう、予備講習での問題点等を踏まえて、鹿児島大学等の関係機関と連携しながら、円滑な実施に努めてまいりたい。


◎ やなぎさんは、これらの質疑の前後にも「更新性制は不適格教員の排除を目的としていないこと」を押さえ、「新たな負担増を強いられることになるという学校現場の不満」「受け入れる大学に人的配置がないこと」などの問題点を指摘し、教育長に見解を求めるなどしています。
この質疑全体の模様は、インターネットの画面で動画で見ることができます。
「鹿児島県議会ホームページ」 →「議会中継」 →「議員一覧から選ぶ」 →「柳誠子」 →再生


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