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さみだれ陳情

「子どもたちに高校教育を保障できない状態だ」
基本計画の抜本的な見直しを要求!

 鹿教協(鹿教組・高教組)は、8月23日、県教育委員長あてに「希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障するために公立高校の再編整備計画の抜本的見直しを求める陳情書」を提出した。さらに同趣旨の署名18,765筆(連合分、11,902筆)を9月14日に提出した。
 9月19日には、「さみだれ陳情」を実施し、各地区から具体的な事例を指摘しながら募集定員の削減を行わないよう強く要請した。
 冒頭、県民会議会長が「出水・阿久根地域で高校に進学できなかった生徒は、新設高ができる前は、14名であったが、07年には、49名にものぼっている。再編計画で子どもたちが切り捨てられている」と厳しく指摘した。
 さらに事務局から、「高校進学希望者は98%を超えているのに、希望する子どもたちが地域の高校に行けないという深刻な状況が生まれている。再編整備計画で一番犠牲になっているのは子どもたちである。特に、来年の中学校卒業予定者が1961年以降最少となるが、画一的な定員削減をしないでほしい。地方の厳しい経済格差を反映して高校進学を断念せざるを得ない状況が生まれている。教育の機会均等を保障するために、再編について、全体的なビジョンを示してほしい」と抜本的見直しを要求した。

【県教委回答】

1「再編整備計画の抜本的見直しを行うこと」
・ 再編整備は、本県高校教育の専門性や教育水準の維持向上を図るためにはさけて通れない課題。今後とも、地域の方々と十分話し合いながら活力ある高校づくりを進めていく。
2 「募集定員策定」について
・ 「公立・私立、相携えて県民の期待に応える」という基本的な考え方にたち、進路希望調査や地域の学校の実態等を考慮し、生徒数の推移を総合的に勘案して策定する。

【各地区からの要請項目】(主なものを抜粋して掲載)

〈鹿児島〉玉竜中高一貫校は、ホテル並のトイレなど施設が充実しているが、周辺との格差がありすぎる。来年度は、6クラスから3クラスとなることから、そのこともふまえ募集策定をしてほしい。
〈揖宿〉山川高校や頴娃高校では、噂だけが一人歩きしている。再編計画を進める以上、現状を改善する方策をきちんとしてほしい。
〈川辺・枕崎〉高校では、1年間に70万も保護者負担があった。入学にも12万かかると言われ、入学を断念した子どももいる。定期券を買えない生徒もいる。生活実態をきちんと把握してほしい。
〈日置〉再編で高校がなくなるというのは、中学校だけの問題でなくなってきている。バス路線が廃止になる中で、公立にも私立にもいけない生徒がいることを把握してほしい。
〈川薩〉高校側から逆指名をして、推薦で上げさせておきながら、2人不合格になった事例がある。「逆指名」については、きちんと上げられるようにルートを作ってほしい。
〈出水〉出水・阿久根地域では、高校に進学できなかった生徒が過去最高で49名いた。「経済的理由」が1割だ。特に、旧東・長島地域に多い。島外に出れば12〜3万かかる。出水地区では、23人が定員内不合格だ。平均で1校、4〜5人という数になる。2次でも不合格になるということは、「社会から拒否されている」という感覚に陥る。保護者からは「空席があるなら座らせてほしい」という切実な声がある。
〈姶良・伊佐〉他県では、教育長名で「定員内は合格させよう」という文書がでているそうだ。何のための公教育なのかしっかり考えてほしい。栗野工業の最後の子どもたちが「この高校に来て良かった」と言えるような条件整備と教員の確保をしてもらいたい。また受験票に写真を必要とする学校があるが、受験期に事務の繁雑さを考えるとどうなのかと思う。
〈曽於〉財部高校は統廃合について危機感をもっている。岩川高校も工業化学科については特色ある学科づくりを進めてきていたのに、昨年、募集停止になって受け皿がなくなった。志布志高校の英語科では、「理系の対応できるようなカリキュラムを組みたい」とすれば英語科である必要はなくなってくる。また有明高校は存続をお願いしたい。
〈肝属〉2次募集の受験の際の私立受験の規定について改めてほしい。「高山高校を盛り上げる会」を開催したが、私立から受け入れられなかった生徒が、高山高校で充実した生活を送っているという報告があった。小規模校ならではの教育効果が現れている良い例だ。公教育とは何なのかを考え、岩手のように小規模校でも残す道を考えていってほしい。
〈熊毛〉南種子地区での説明会は、1回しかない。また通学対策など具体は示されていない。このような県教委の対応に、保護者や生徒が不信をもつのは当然だ。地元の高校で学びたいという子どもたちの気持ちを受け止めてもらいたい。中種子養護学校への高等部設置は不可欠だ。
〈奄美〉「奄美市の高校の状況等に関する説明会」が開かれ、高校の統廃合はすべきでないという声が出された。奄美地区の経済状態や進路実態を踏まえると、1島1校の高校は存続させる原則は崩すべきではない。今年の希望調査では、定時制への希望が増えている。就職希望も多かった。経済的な理由によるものだが、奨学金制度の充実を図ってもらいたい。


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